老齢雑感

ーあのとき僕はこう思ってたんだー

処理水放出の共犯者意識

  

  未来に対して皆共犯シリーズ 

 

1)ALPS処理水の海洋放出始まる

 

  一昨日8月24日13:00に

  福島原発の汚染処理(ALPS)水の

  海洋放出が始まった。

 

  と同時に中国が、24日、

  日本からの水産物の輸入を

  全面的に中断し

 

  さっそく水産業界に不安の声が聞かれはじめ

 

  放出反対派は当然ながら非難し

 

  擁護派のホリエモンなどは

  非難してるやつは頭が悪いと言い放つなど

 

  騒がしい状況になっている

 

 

2)政府の思惑

 

  政府は、まず、IAEAのレヴュー(分析・報告)を

  世界基準の安全適合に読み替え、

 

   (IAEAのサマリーは、放出の作業基準やルールが

    IAEAなどの安全基準に適合していると言っていて

    そういう厳しい基準・ルールで扱わなければならない

    危ないものなんだという認識は大前提で、

    各国の専門家で構成するタスク・ホース(特別委員会)が

    今後何十年とこれを監視・監督していく。

    ある意味監視下に置かれるとも受け取れる。

    危険なもののほうの問題にウエイトを置いて読むか

    「安全基準適合」の語にフォーカスして読むかが

    その人の人柄なんでせう)

  

  これを錦の御旗に喧伝し、

  

  水産業界の団体さんも

  それを否定するわけにはいかず、

  放出は反対ながら、

  そこは理解を示すというスタンス示したことで

 

  政府はそれを、業界も理解してくれたと捉え、

  あとは、(理解を示してくれた)水産業者に寄り添って

  風評被害対策に万全を期すのテイで

  押し切った。

 

  中国の「全面輸入中断」は

  少し想定外だったのだろう。

 

  水産業者のみならず、

  飲食業者、観光地などにも

  影響が広がりかねない状況になっている。

 

 

3)トリチウムのレベルは低い

 

  まあ、自分も"馬鹿"の一員だから

  よくわからないが

 

  政府が、これも錦の御旗の如く掲げる

  フランスやシカゴや中国やらの

  トリチウムの放出量図があって、

  そういった国々の実際の放出量のほうが

  レベチ(レベル違い)に高いのだ。

 

  そこが問題とされずにどうして

  はるかに低い日本の放出が騒がれるのか?

 

  という政府側文脈はなかなか否定しにくいのだろう

  反対派は、トリチウム以外にも

  処理水にはALPSの処理対象外の

  危険物質が含まれたままだという

  論を展開してもいる。

 

  おそらく、それも、まあ、

  たぶんそうなんだろう。

  

 

4)気にはなる

 

  そんな中で気になったのは、

  東京保険医協会の伴英幸さんという方が

  2021年7月8日に書かれた

  「海洋放出の危険性」。

 

  放射性水素であるトリチウム

  生物内に入って有機結合型トリチウム(OBT)になると

  遺伝子に影響を与える可能性があるという点と

 

  (ここでいう「生物」をつい「人体」と読みがちだけど

   あとで出て来る、原発に流れ込んでいる地下水が既に

   微生物いっぱい含んでるんだってのがおぞましい話)

 

  OBTは、水と流れ出るトリチウムと違って

  人体に長くとどまるという点の2点が気になる。

  (OBTも最終的には流れ出るらしいですが)

 

  このことは政府設置のALPS小委で報告されている

  と伴さんが書いているので、

  経産省のALPS小委のサイト見たら

  11回配布資料の中の茨城大学の田内広先生の報告がそうかどうか

  確かに書いてはある。

 

  その具体的な悪影響とかにまでは踏み込んでないので

 

  伴英幸さんは、ドイツやカナダなどの

  原発周辺で報告されているとする

  白血病ダウン症、心臓疾患などの

  高率発生という報告をここでの文脈に

  持ち込まれているのだけど

 

  それはどうなんだろう。

  

 

5)高放出国っていわれてる国もどうなのか

 

  もう一つ気になるのは

  フランスとかカナダとかドイツとか中国とか

  日本政府がトリチウム

  高放出国と説明図に書き込んだ国々は

  どう思っているのだろう。

 

  それに、そういうものもOKで

  日本に厳しい基準を課しているように見える

  IAEAの世界基準っていうのも

  どうなの?

 

  という疑念が沸々と湧いてこないだろうか?

 

  なぜ、日本のニュースメディアは

  そこに焦点をあてないのだろう。

 

 

6)自然発生レベルより低い直

  

  田内先生の報告の中に

  マウスへのトリチウム水の飲水投与実験があって

  濃度の濃い場合、平均寿命は確かに短くなるが

  ある直(3.6mGy=ミリグレイ/Day)以下の投与だと

  普段の寿命となんら変わらなくなる

  というデータがある。

 

  もちろん、その裏で、あるいはその間に

  OBTがどういう働きをしているとかには

  一切焦点は当たってないでしょうが

 

  ALPS処理水をさらに薄めて放出というのは

  ここらあたりの考え方が

  ものさしになったりしているのでせうか。

 

  危険が全くないとは言い切れないが

  あったとしても、人の平均寿命を

  左右するほどのものでは全くない。

 

  ただ、OBTの悪作用とかの

  何億分の1? 何万分の1?とかの

  クジを引き当てる人、

  確率的影響を受ける人が、

  絶対いないともまた言えない。

  というようなことなんでせうか。

  

 

7)もうひとつ気になること

 

  海洋放出は、

  30年かかるらしいですが

 

  要は、

  一番安い形で手を打ったって

  ことなんだろうと拝察するのですが

 

  地下水の流れ込みに

  現状手が打てないってことは

 

  30年後ほんとうに

  タンクは空になるんだろうか?

  要は、垂れ流しなんじゃね?

  そこをなんとかしようという点においては

  思考停止じゃね?

  (ALPS処理噛ませるにしても)  

 

  というような、うすら寒さ感じつつ

 

  自分にアイデアがあるわけでもないので

  そのうすら寒さを自ら引き受けるしか

  ないのではあります。

 

 

・・・・・以下20230902追記・・・・・・・・

 

 DIAMOND ONLINEの9月2日午前7時配信記事

 「中国の露骨な反発だけではない、世界の専門家が表明した

  『処理水への懸念』再検証」(姫田小夏)

 

 を読んだ。

 

 "田内広先生の「処理水」に問題はなかろう"の見方と

 伴英幸先生の

 "BOT有機結合型トリチウム)問題"も取り上げられており

 

 ほっこりの引っ掛かりがまんざら

 的をはずしたものでなかったらしい。

 

 しかし、この記事を読んで

 つまり姫田小夏さんの指摘で

 浮かび上がったのは、

 (自分が気づいていなかったのは)

 

 まず、世界の原発は、福島第一原発のように

 壊れた炉心に触れた原発水を処理して、

 排出しているわけではないということ。

 

 福島第一原発の水は、壊れた炉心の核物質に触れた

 水であり、他の原発の水と根本的に異なる水である

 ということ。

 

 ここは、記事でもわからなかったが、

 ALPS処理設備というのが、

 世界の原発で使われているのと同じものなら

 そもそも、それでいいのかの問題は残りそう。

 

 まあ、それが、

 「処理水には除去できない危険物質が含まれている」

 という反対派の論点だったのだろう。

 

 ALPS処理、「処理水」ってのが、科学者の先生方には

 わかっているんでせうが、報道等のレベルでは

 まったく曖昧なまま扱われているように思えるのです。

 

 福島第一原発のALPS処理設備は、

 世界の原発の設備と同じかどうか?

 もし同じものなら、

 炉心に触れた水の処理上、

 問題があるのかないのか?

 

 違うなら、どこがどう違い

 炉心に触れた水の問題に

 対応しているものなのかかどうか?

 

 また、ALPS処理により安全だという根拠は、

 世界のALPS処理のデータの話なのか、

 それとも、独自の分析結果なのかどうか

 

 そういった点について

 触れているレポートが

 あるのかどうか?

 

 気になります。

 

 

 さて、

 

 和を持って貴しとする

 縄文人の遺伝子を多分に持っていると

 自ら信じるほっこりは

 

 独善的な「正義」の追及は

 元も子もなくす危険があると

 内戦の絶えないような国々を見て

 つくづく思う派であり

 

 一方的に政権の所業を責めるつもりは

 毛頭なく

 原子力というものを

 すでに持ってしまっている国としての

 出来する諸問題の舵取りの難しさは

 自民だろうが野党(ex.民主)だろうが

 おなじようなもんだろと思うのですが

 

 夏目漱石とか焼津の半次親分とかの

 まがったことは嫌い系の日和見派なので

 

 ホントのところを俎上に載せて

 できるだけ皆で閲して

 そして、元も子もなくさないような論点整理で

 ものごとの判断が出来て行けたら

 と思う次第です。 

 

 

・・・・・20230903・・・・・

 

 やはり、他の原発の処理水と

 福島第一原発の処理水の違いが

 議論を呼んでいるようです。

 

  「サンモニ」識者、処理水は「普通の原発と違う」

  他の放射性物質含有の可能性指摘→東電はデータ公開

  (デイリースポーツ 2023/9/3(日) 10:25配信)

 

 TBSの日曜朝の番組「サンデーモーニング」で

 元TBSの報道記者の松原耕二氏が

 この「処理水の違い」を問題にしたそうです。

 

 それに対しデイリーは(以下記事引用)

  

   『 東京電力が公開している

     処理水についてのサイトでは

 

       「ALPS処理水の海洋放出を行う際には、

        トリチウム以外の放射性物質の濃度が

        国の基準を満たすまで

        再浄化処理(二次処理)を行い、

        トリチウムの規制基準を十分に満たすよう

        海水で希釈します。」

 

     と他の放射性物質について説明している。

 

     再浄化処理(二次処理)については

 

       「多核種除去設備は、汚染水に含まれる

        62種類の放射性物質(核種)を、

        環境へ放出する場合の国の基準以下の濃度に

        低減する浄化能力を持っています。」

 

     とし

 

     「多核種除去設備出口の放射能濃度」

     という項目では

     放射性物質の濃度のデータを開示している。』

 

  と、東電は、トリチウム以外の放射性物質についても

  国の基準以下に抑える処理をしている東電説明を紹介し、

  公開されている「多核種除去設備出口の放射能濃度」には

  セシウムとかストロンチウム等々の検査データを

  ちゃんと公表してえいると指摘している。

 

  「多核種・・・」のPDFデータには

  たしかに2013年からの計測データが示されている。

 

  処理水の質の違いに対する回答が

  このデータでいいのかどうかも正直よくわからないが

 

  データを見ると、表示の説明は若干あるが、

  どう見たらいいのかこれも正直よくわからないが、

 

  2022年6月にセシウム137とストロンチウム90が

  告示濃度限度超えをしている以外は下回っている。

 

  という見方でいいのか、

 

  2022年6月の「限度超え?」が

  問題なのかどうかもわからない。

  

  ただ、多核種は確かに含まれているが

  概ね問題にならなさそうなレベルにまで除去されて

  海に放出されている、そういう東京電力

  尽力があることも事実なのだろうけど

 

  先述の田内先生の言われる「確率的影響」

  のような問題まですべて

  除去しつくしているわけではないから

  IAEAの監視は続くのだろう。

 

  という理解でいいかどうかは

  わからないが、

 

  まあ、いずれにしても

  評価の難しい放射性物質の微量な放出を

  我々は結果容認しているということだけは

  確かなんじゃないでせうか。

  

 

  ・・・・・以下20230906追加・・・・・・

 

  松原耕二氏に咬みついたデイリースポーツが、

  再び、今度は、評論家?の高橋洋一氏の

  咬みつきコメントを配信していた。

  

  『高橋洋一氏が猛批判 「サンモニ」松原耕二氏の

   処理水発言「デブリに触れたから未知のもの?

   教えてくれよ!」ホラー呼ばわり「単なるド文」』

配信

 

  要は、デブリに触れた水であれ、

  ALPSは、トリチウム以外の現代科学が検出しうる

  62種の放射能物質を処理している、

  デブリに触れたらそれ以外のものが出来てくる

  とでも言いたいのか「ド文系」の言い草だ、

  ということらしい。

  

  松原さんがおっしゃったのを見ていないので

  咬みつきが正しく咬みつきになっているのかどうかが

  いまいちわからないのですが、

  

  また、宮台真司氏が「トリチウムの生物濃縮」

  ということを言っている(らしい。見てない)ことも

  高橋氏は非難されているようなのですが、

  ほっこりはXをやらないので、

  批判が的を射ているかよくわかりません。

  

  ほっこりも、ド文系のバカなので、

  高橋さんのおっしゃりたいであろうことは

  なんとなく察するのですが、

  

  やはり、ど文系はど文系なので

  

  また改めてネット検索し

  経産省資源エネルギー庁が2018年11月30日公開の

  『安全・安心を第一に取り組む、福島の“汚染水”対策③

   トリチウムと「被ばく」を考える』を発見。

 

  ベクレルとシーベルトの違いとか

  ド文系のバカむきのいい情報です。

 

  また、ざっくりいうと

 

  とにかく、トリチウムは、

  体内被曝があったとしてえも

  非常~~~~~に、微弱だ、

  ということですね。

 

  このPDF文書で、最後に、丁寧に

  説明されているのがやはりOBTの問題。

 

  有機結合型トリチウム(OBT)が

  体外排出に一部1年を要するものがある問題と

  遺伝子を損傷させる可能性がある問題。

 

  結局、トリチウム問題の行き着く先は

  ここだろうと思うのですが。

 

  結論からいうと、この二つの問題から生じる

  人体への影響もなくはないが

  普段の生活で起きている極々普段からの

  体内で起きている損傷レベルよりも

  極めて微小~~~~~なもので

  問題にするレベルではない!

 

  ということらしいのです。

 

  ほっこりは、

  確定的影響は低レベルながら

  確率的影響はその限りでないみたいな理解をし、

  当該部分でそんな書き方もしてていたかと思いますが

 

  確率的影響も極めて微小なんだそうです。

 

  ただし、あくまで"現代の研究では"という

  ちょんちょんマーク付きではあるようです。

  決して意地になっていうわけじゃなく、

  科学的にいうとそういうことらしいです。