老齢雑感

ーあのとき僕はこう思ってたんだー

ネオニコチノイド系農薬

 これから話題になるだろうか?

  (本日少し違う角度から)

 

1)魚はなぜ減った?

 

 公益財団法人日本釣振興会

 というところの主催の講演

 

  『魚はなぜ減った?

   ~見えない真犯人を追う』

 

 という動画がアップされている

 

 

2)外来魚のせいではない?

 

 日本の陸水(川や湖)で

 1990年代後半から在来種の

 魚が減ってきたのは

 けっして外来種のバスなどの

 せいではなく

 

 1993年頃から使われ出した

 ネオニコチノイド系農薬の

 せいである、ということを、

 東大大学院の山室真澄先生が

 

 長年の丹念な実態調査をもとに

 解説された、インパクトある

 講演模様です。

 

 

3)この件、現状はどうなのか

 

 とりあえず埼玉県関連では

 『環境科学国際センター』で

 ネオニコチノイド系殺虫剤に

 ついての説明があった。

 

 2014年のニューズレターが

 2023年1月28日に掲載された

 もの。

 

 

4)ざっくり素人要約転記

 

 「昆虫の神経伝達を阻害し

  昆虫駆除に有効。

 

  脊椎動物への急性毒性低く

  環境中で消えにくく

  農産物の生産性向上に有効

 

  しかし、近年、

  脊椎動物への慢性毒性が

  報告されるようになり

  ミツバチの減少原因も疑われ

  規制する国も現れてきたが

 

  環境中濃度の測定例は少数

 

  センターで2013年

  埼玉県内35河川、38地点で

  季節ごとに年4回、

  ネオニコチノイド系7化合物

  河川水濃度を調査。

 

  県内全域で殺虫剤を検出。

 

  出荷量多い「ジノテフラン」

  250ng/L(ng⁼10億分の1g)

 

  出荷量の少ない

  「ニテンピラム」や

  「チアクロプリド」は

  ほとんど検出なかった。

 

  日本では、

  「ネオニコチノイド系」の

  河川環境基準は未設定。

 

  水質汚濁に係る

  「農薬登録保留基準」では

  基準値は大幅に下回る段階。

 

  しかし、

 

  生態系への影響が

  疑われており

  今後も注視する必要がある」

 

  

5)2013年の調査以降は?

 

 この10年間の動きは

 どうだったんでしょうね。

 

 "基準値を大幅に下回る"

 というのは講演で、

 山室先生が、日本の基準値が

 他国に比べ高すぎる

 というようなことを

 仰っていた問題とからむので

 しょうか?

 

 

6)水俣病の教訓への言及

 

 山室先生が講演の中で

 水俣病の経験が全く

 生かされていないということを

 強く仰ってました。

 

 科学的(化学的)な問題を

 企業や行政がその立場に

 引き寄せて情緒的な判断が

 まかり通ってしまった轍を

 

 今また踏もうとしていると

 警鐘を鳴らされています。

 

 

7)和を持って貴しとすべし

 

 古代からの日本の協調精神は

 確かに、大災害時でも

 パニックにならず

 冷静沈着な対応を生むなど

 奇跡のような国民ではある

 のですが、

 

 罪を憎んで人を憎まず

 ということばもあるのに

 

 罪自体に潜む重大な問題を

 人との縁や、メンツ問題と

 切り離して考えられない。

 

 日本人の長所の裏にある

 最大の短所ですよね。

 

 

8)あいまいな国ニッポン

 

 3月3日亡くなられた

 大江健三郎さんは

 それを「あいまいな国」と

 呼ばれたんですよね。

 (NHKプラスで1995年の

  ノーベル文学賞受賞の番組

  再配信を見ました)

 

 なかなか人の性(さが)

 というものは変わりません。

 最近は、むしろその傾向が

 大手を振って歩きはじめて

 いる気がします。

 

 タモリが言った

 「新しい戦前」の兆候

 なんでせうか?

 

 今後、この農薬問題が

 客観的にメディアでも

 取り上げられるように

 なるのでしょうか。

 

 少し前に書いた

 川の専門家の森下郁子先生等は

 どんな風なご意見なんでせう。

 聞いてみたい気がします。