老齢雑感

ーあのとき僕はこう思ってたんだー

松葉杖って日本人っぽい命名?

 

  松葉杖の便利さ不便さと

  松葉杖ということばのうまさ

        

 

 

1)松葉杖を使いだし

 

 便利さ不便さを知る

 

 

2)左足に力を入れられない身では

 

 右足しか使えない。

 

 怪我した最初、

 ケンケンしながら

 少しでも左足が地面に触れると

 激痛が走り

 まろび回ったのは

 既述のとおり

 

 

3)怪我した翌日

 

 体を支える棒が欲しいと思い

 絨毯を買ったときについていた

 長い竹竿を剪定鋸で切りながら、

 そうだ昔こどもたちが使った

 スキーセットがあった

 と思い出し

 ストックを引っ張り出す。

 

 病院へのタクシーまで

 つまり安マンションの玄関先まで

 まろびなく行けたのは

 スキーストックのおかげだった。

     

 片足の不自由な体に

 支えとなるもののあるありがたさに

 しみじみ感じ入った

 

 

4)そして病院で診察後

 

 松葉杖が貸与され

 簡単な使用訓練を受ける

 

 スキーストックは

 体を支えてくれたが

 移動推進の右足のケンケン。

 右足への負担半端なかったが

 対して、松葉杖は

 両手の腕力で体を支え

 右足は振り子のように使うだけで

 右足への負荷は

 著しく軽減された

 (椅子からの立ち上がりとか

 右足の負担はまだ十分高いが)

 

 

5)松葉杖で不便なのは

 

 カップに淹れたコーヒーとか

 器に何か入れて運ぶこと。

 これはほぼ無理。

     

 コーヒーは

 台所に立ったままで淹れて飲んで

 自室に戻るしかないし

 食事も、居間で全面家人だより。

 

 つまり、自分でちょちょっと

 何かを食べるというのをするには

 立ったままで完結するしかないが

 さすがに食事まで

 立ったままというのは

 行儀的にどうかという気がする。

 

 しかし、独り身であったりすれば

 そうせざるを得なくなるのだろう。

 

 そのほかは、

 風呂にしろ、着替えにしろ

 時間はかかるが

 自分でなんとかやっている。

 (洗濯は全面家人だより・・)

 

 

6)ところで、松葉杖らしきものは

 

 紀元前2830年に描かれた絵が

 最古らしいです。

 九州工業大学の永﨑さんという方の

 医学博士論文(PDF)にざっくりした

 松葉杖の歴史の記述があります。

 16世紀のオランダのイラストに

 松葉杖があるそうです。     

 

 

7)ほっこりは「松葉杖」という言い方が

 

 実にうまい表現だなあと思うのです。

 あの形状から松葉を連想するなんて

 日本人っぽくないですか。 

    

 英語では crutch(ペアで crutches)

 というそうで

 支えというような意味合いらしく

 (weblioの語源とかから)

 松葉杖という呼称は

 外国語由来ではなさそうです。

 

 いつ頃から使われたことばか

 わかりませんが

 16世紀のオランダのイラスト

 のことなど思うと

 ターヘルアナトミアの翻訳の頃

 というのが確度高い

 気がするのですが

 どうでしょうね。