老齢雑感

ーあのとき僕はこう思ってたんだー

智に働けば角が立つ。(2)

 

 「智に働けば角が立つ」シリーズ その2

 

1)範に倣う

 

  TBS ジャニーズ事務所との関係を検証 

  「忖度」感じた社員ら証言…

  性加害報道で沈黙した理由とは

  2023/10/7(土) 19:51スポニチANEX配信

 

  「TBS 報道特集」(7日午後5:30~)の

  ジャニーズ問題に対する自己検証の内容を

  スポニチANEXが昨夜配信した記事

 

  タイトルを読むと

  NHKクローズアップ現代の自己検証より

  踏み込んでいるようにも見える

 

  でも、ざっくりいうと

 

  ジャニ―喜多川氏が起こした自動車事故

  いうなれば本筋はずれた軽微な内容のときには

  忖度あったことは認め

 

  ジャニ―喜多川氏の性加害(こちらが本筋)では

  クローズアップ現代の「認識が低かった」式弁明の

  範に倣っている。

 

  自己検証をしようという意欲を示して

  問題に向き合おうとしているというポーズは示し

  それを贖罪とする

 

  クローズアップ現代と本質は

  変わらない。

 

 

2)元も子もなくせない

 

  ジャニ―喜多川氏の性加害で

  忖度があったと認めたらどうなるのか

 

  認めたら、世界的な注視を集める中では

  国内外の納得も得られるような

  関係者の処分とか行わないではいられなくなる。

 

  あるいは上層部の責任まで

  指弾される可能性がある

 

  社内・社員の犯罪ならともかく・・・。

 

  部外の一人のおやじの性犯罪のために

  そこまで自分たちまで責任を負わねばならないのか

  メディアとしての

  放送者・報道者としての

  資質・資格を毀損してまで。

 

  そんな元も子もなくすようなことは

  できない。すべきでない。

 

 

3)問題の本質

 

  性加害報道の検証という理屈からいうと

  論(理屈)はつくされていない

  

  と同時に

 

  放送者倫理の面(こっちが本質かも)からも

  本質的な疑念が横たわっている

 

  性加害に対する

  根本的な認識・問題意識が問われている。

 

  「外のおやじ」の性犯罪かもしれないが

 

  その報道のしかた自体は、

  自分たちの問題、

  それが報道・放送者の存在意義そのもの。

 

  天秤にかける話ではない

 

 

4)天秤にかけられる話ではないが

 

  刑に「量刑」ということばがあるように

  交通事故に「過失責任」ということばがあるように

  また、犯罪に「更生」ということばがあるように

  

  大事なのは、

  「0」か「100」の判断

  その場限りの善し悪し

  その場の納得

  ではなく

 

  人の一生、人の生活、

  社会の安寧を見据えた

  バランス感覚なんだというのも

  本当だと思う。

 

  (バランス感覚は、理屈(智)の否定と同義と言われればそうですが)

 

  何度も言いますが

  紛争の絶えない、

  話し合いの基盤というものを知らない

  勝つか負けるかだけにしか興味がない

  そういう紛争地のような社会ではない

  和をもって貴しとする日本の方式

 

  (「まあまあ、なあなあ」の弊害社会ですが)

 

  その意味合いこそ

  国際社会は真剣に検証すべきではないか

 

  (もちろん、日本は、その非論理性の面を大いに改めつつ)

  

  とさえ思うのです。

 

  その日本的な叡智で

 

  天秤にかけられない「智」と「情」を天秤にかけ

  衆目が納得できるような

 

  「お裁き」というか「責任のつけ方」というか

  「右」か「左」かだけでない

  「奥」と「手前」が組み合わさったような

 

  立体的な天秤のメモリの測り方みたいなものを

  はじめから用意しておけないですかね。