老齢雑感

ーあのとき僕はこう思ってたんだー

一線を超える感化装置を糾弾

  机上試論

 

1)支援物資を送る青年

 

 4月3日(日曜)のNHKスペシャル

 アメリカに留学していた

 ウクライナ人の青年が、

 ロシア侵攻後、同じくアメリカに

 留学していたウクライナ人の恋人と

 ウクライナに戻り

 戦闘の続く地域への医療関連品など

 最前線で不足している支援物資を

 送り続けている姿を報告していました

 

 帰国した二人の居場所も行く末も

 決して安全安泰なものではなく

 つい弱音を吐く青年に、そんなことは

 言わないで欲しいと、涙ながらにいう

 恋人の姿には身につまされました。

 

 

2)青年はロシア国民を責めていた

 

 青年は、2014年にウクライナ国民が

 親露派大統領を国外へ逃亡させた

 マイダン革命について触れ

 ウクライナ人は自分たちの手で

 今日の政体を選択したんだと語り

 ロシア国民がプーチンの政治に

 声を上げようとしない姿勢を厳しく

 糾弾していました。

 

 なるほどもっともな怒りだと

 素直にそう思いました。

 

 ただ、

 

 

3)情報操作をどう見るか

 

 青年の怒りは、外野がどうこう

 いえる話ではないと思うんですが

 

 ロシア国民が国家的な

 情報操作という感化装置の中で

 生活をさせられているという点が

 やっぱりどうしても気になるのです。

 

 

4)日本もかつて

 

 鬼畜米英の憎しみを

 国民のほぼ全員が

 共有させられ

 

 太平洋上の戦況不利になっても

 日本は勝ち続けていると

 信じ込まされ

 非民主的な生活規範や命令が

 押し付けられても

 それが自分たちのためのことと

 思いこまされ

 それに異を唱えることが

 許されなかったり

 逆らえなかったり

 したわけですからね。

 

 ロシア人が特別な国民だと

 断罪することはできないと

 思われる例はかつての日本以外でも

 昔から今日まで

 あちらこちらにあると

 思われるわけです。

 

 

5)要は

 

 自分たちの信ずることこそが

 絶対善と吹聴し

 そこに周りを引きづり込み感化させ

 非人道的な一線を超えて突き進む。

 そういう感化装置とその仕掛け人を

 糾弾しなければならないのじゃ

 ないでしょうか。

 

 国の政体を超え

 できるだけ多くの国を参加させ

 非人道的な情報操作は

 国際的な人道上の犯罪として規定し

 世界でとり決めを交わす。

 

 その必要性を、

 今回の「侵攻」は

 世界に突きつけたんじゃ

 ないでしょうか?

 

 

6)大事なのはとり決めること

 

 何が非人道的な情報操作にあたるのか

 そのとり決めは、なかなか難しい

 かもしれませんが

 異なる見解の情報を排除しないとか

 実際に独裁的な国家などで

 行われていることを検証していけば

 押さえねばならないキーポイントは

 山ほど出てくるんじゃないでしょうか

 

 また、こんなことは

 内政干渉そのものという反論が

 出るでしょうけど

 独裁的な国家が非難する

 人道上の取決めってすでに

 たくさんあるかと思います。

 

 だからとり決めることこそが

 一番大事なのであって

 その社会規範がアンチな国家に対する

 制約となっていくことが

 大事なことだと思うわけです。