老齢雑感

ーあのとき僕はこう思ってたんだー

よしゑやし Let it be! 夜露死苦!

 諦めと覚悟一体のことば

 

1)よしゑやし

 『徒然草』読みの12段で引っかかって、『蜻蛉日記』で道草したりしているわけですが、今朝は、「よしなしごと」の「由(よし)」の由来を追っかけて、また「万葉百科」さん内をぐるぐる、ぐるぐる。

 で、万葉集・歌 巻2-131 と 巻2-138 の「石見の海」の歌で、「よしゑやし」のことばと遭遇し、嬉しくなってしまった。

 

2)ままよ、なんとでもなれ

 意味は、Weblio古語辞典で、①「ままよ。ええ、どうともなれ。」、②「たとえ。よしんば。」。基本は「ええい、どうともなれ」という諦めと覚悟ないまぜの嘆息なんでせう。その意識が少し動いて「たとえ・・だろうと」になるんでせう。

 

3)万葉の当て字

 Weblio古語辞典では、「よしゑーやし【縦しゑやし】」という漢字が当てられていますが、実際には、「能咲八師」「縦恵八師」「吉咲八師」「縦恵夜思」など、131番と138番の長歌(相聞歌)だけでこんなにあり、他にもまだあるかと思います。「夜露死苦!」風の万葉の暴走族ことばです。

 

4)なるようにしかならないわ

 昔(1970年頃)読んだ、遠藤周作の作品で「なるようにしかならないわ」というフレーズが印象に刻まれてまして、ネットを検索したら「名言ナビ」さんのサイトで判明。「なるようにしかならないわ 悲しくしずむ夕日でも あしたになれば昇るのよ」は、遠藤周作『ヘチマくん』内の「名言」だそうです。このフレーズを名言だと認定された「名言ナビ」さんにイイネです。

 作品の内容はもう覚えていないのですが、たしか一番最後のところでこのフレーズが印象深く語られていた、という印象だけは、半世紀以上たった今も消えません(当時、ネスカフェのCMによる"狐狸庵先生"遠藤周作ブームで、『沈黙』等にもカブレ、「ユーモア小説シリーズ」はほぼ読み尽くしました。今60代以上の方に結構そういう方多いかと思います)。

 

5)Let it be !

 「 Let it be ! 」は、「なるがままに」とか「なんとかなるさ」などと訳されるようですが、その心は、「よしゑやし」「ままよ!」と、ほぼ同じでせう。

 

6)夜露死苦

 「ままよ!」「よしゑやし!」「Let it be ! 」「なるようにしかならないわ!」諦めと覚悟。ほんとに、良くも悪くも、それに尽きますね。「よしゑやし! 夜露死苦!」