今日は「天一天上」の初日
「天一太郎」日です。
ルンルン。
でも仏滅ですけど。
1)『徒然草』を読むようになって
次にアップする『徒然草』第8段の
「仙人(ひじり)」なんかでも触れるのですが
中古、中世の時代は
道教的な陰陽五行説(いんようごぎょうせつ)をバックグラウンドにする
大陸文化、というより日本人にとっては
新しい"ものの見方"としての
暦法とかに熱を上げました。
近世は、さらにヒートアップしたみたいです。
"神官"まかせにしない
"民間"での見通し立てです。
その近世の余熱がいまも続いているのかと思います。
『徒然草』を読むようになって
そのあたりの心持ちに触れたく
毎日、干支(かんし)とか撰日(せんじつ)とかおっかけています。
※干支(かんし)は
十干(じっかん)=「甲乙丙丁戊己庚辛壬癸」と、
十二支(じゅうにし)=「子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥」との
組み合わせのこと。「撰日」(せんじつ)は文中で説明します
※十二支(じゅうにし)は、子ね(陽)→丑うし(陰)→寅とら(陽)というように、
「えと」ごとに「陽」と「陰」が設定されています。
※十干(じっかん)は「甲乙丙丁戊己庚辛壬癸」なんですが、
甲を、木のえ(兄=陽 )→ 乙を、木のと(弟=陰 ) →
→丙を、火のえ(兄=陽 ) → 丁を、火のと(弟=陰)→ ・・・
と言う具合で、
「甲乙」にまず「木の陽・陰」が振られ、次に、
「丙丁」に「火の陽・陰」が振られるという具合に
「木火土金水」(五行説)の影響を受けながら、
十干「甲乙丙丁戊己庚辛壬癸」も回転していることになります。
※また、十二支(じゅうにし)も「木火土金水」(五行)の影響は受けていて、
「子」は上図のように、「五行」の「水」の影響(水の三角)を受けて
「陽の水」でも あるのですが、次の「丑」も「水」の三角内にあるから
「陰の水」かというと、そうではなく「陰の土」となります。
これは、五行の三角枠のなかで3番目の「えと」は「木火土金水」の
「土」の管掌下に置かれているということのようです。
「水」の三角の中で、1番目、2番目は、水の管掌下ですが、
3番目は「土」の管掌下、他の「木」「火」「金」でも同様です。
茶色でマークした「辰」「未」「戌」がそれで、それぞれ、
「辰=陽の土」「未=陰の土」「戌=陽の土」 となります。
※以上の図の説明を書いて思ったのですが、五行説(ごぎょうせつ)は、
5つの要素での「運行」という意味だと思うので、
「ごこうせつ」「いんようごこう」と言った方が
より意味合いが伝わったんじゃないかと思う次第です。
2)今日は干支の30番目の日
今日は、干支(かんし)でいう
「癸巳」(訓読み「みずのとみ」、音読み「きし」)の日。
図のなか側の十干(じっかん)
「甲(こう/木のえ)→ 乙(おつ/木のと)→
→ 丙(へい/火のえ)→ 丁(てい/火のと)→
→ 戊(ぼ/土のえ)→ 己(き/土のと)→
→ 庚(こう/金(か)のえ)→ 辛(しん/金(か)のと)→
→ 壬(じん/水のえ)→ 癸(き/みずのと)」
の回転の最後の「癸」(訓読み「みずのと」音読みは「き」)と、
図の外側回転の十二支(じゅうにし)
「子(ね/シ)→ 丑(うし/チュウ)→ 寅(とら/イン)→
→ 卯(う/ボウ)→ 辰(たつ/シン)→ 巳(み/シ)→
→ 午(うま/ゴ)→ 未(ひつじ/ビ)→ 申(さる/シン)→
→ 酉(とり/ゆう)→ 戌(いぬ/ボ)→ 亥(い/ガイ)」
の「巳」(訓読み「へび」「み」、訓読み「し」)の組合せ。
で、「癸巳」(訓読みで「みずのとみ」/音読みで「きし」)
これが、「甲子(こうし・かっし)」の組合せ(①番)でスタートしてから
「癸巳(きし)」の組み合わせは㉚番目になるんですね。
そして、こういう組み合わせや動きに、いろんなこじつけがついてきます。
3)こじつけ?摂理?
それが「暦注(れきちゅう)」というもので、とにかくいーっぱいあります。
たとえば「癸巳(みずのとみ/きし)」は、
上の図で説明しているように、いちばん内側の「木火土金水」(五行説)の
影響を受けて、
十干の「癸」は、「水」の三角の初めにあるので「陽」で「陽の水」
同じく十二支の「巳」は、
十二支順繰りの「陰」で、それが「火」の影響の下にある
(図のおおきな三角にある)ので火の管掌下にあり「陰の火」となる。
五行説では、「木(もく)→火(か)→土(ど)→金(ごん)→水(すい」
と回転する動き(運行)において、その「回転を促す」=「隣り合う」ものは
「相生(そうじょう)」といって好相と見るらしいのですが、
「水」と「火」は、隣り合わず(五つの要素の運行の順どおりでなく)、
回転を促しておらず、回転から外れて影響し合うため「相剋(そうこく)」
といって凶相とみるらしく、「水剋火」(すいこくか)=「水は火を消し止
める」というふうな解釈になるらしいです。(Wikipedia)
突然、こんなややこしい話・・・
ですよね。
まず、月日の運行や農耕や人の動きが、すべて影響・関連し合っていると
信じ込むところから始まって、なんであれ、思い当たる事象(ヒントのよう
なもの?)を、片っ端から辻褄合わせ、意味付けしていって、ごちゃごちゃ
で複雑な説明体系になってしまった! そんな気がします。
3)天一太郎とは
Wikipediaによると
干支(かんし)の組合せで吉凶を占うことを撰日(せんじつ)というそう
ですが、それがまた、いっぱいあります。
天一太郎(てんいちたろう)、天一神遊行(てんいちじんゆぎょう)もそ
の一つです。
天一太郎は、ざっくり言うと
天一神(てんいちじん)という方角神が
北東(6日間)➡東(5日間)➡南東(6日間)という具合に
6日、5日の日数とりながら時計回りに、
自分が遊行(ゆぎょう)することで
人々がその日行くべきでない方角を示してくれるらしいのですが
干支(かんし)の㊻番目の北東(艮うしとら/ごん)からスタート
「㊻北東(艮うしとら/ごん)6日間 ➡ (52)東(卯う/ぼう)5日間 ➡
➡ (57)南東(巽たつみ/そん)6日間 ➡③南(午うま/ご)5日間 ➡
➡ ⑧南西(坤ひつじさる/こん)6日間 ➡ ⑭西(酉とり/ゆう)5日間 ➡
➡ ⑲北西(乾いぬい/けん)6日間 ➡ ㉕北(子ね/し)5日間」
以上のように干支の㊻番目から44日間かけて遊行なされると、
干支は60番目までなので(なので遊行は年に6回あることになりますが)、
遊行の16日目には、干支の①番目「甲子(きのえね/こうし)」にもどり、
遊行最終日の44日めが干支㉙番目「壬辰(みずのえたつ/じんしん)」で、
遊行明けの初日が㉚番目の「癸巳(みずのとみ/きし)」というわけです。
方角的に、天一神は「北」に戻られ、5日間北の遊行をされ、それも終わ
れば、次に「艮(うしとら/ごん)」からスタートするまでの16日間は、
(遊行は44日で東西南北360度を8分割し終わっているので、
単なる干支60日間との差異でしかない気もしますが)
天一神は天に上られて休息される「天一天上」の期間というらしく、
どの方角にもなんの憂いもない16日間となるということらしいです。
(じゃあ降りてこないでって話のような気もしますが)
その16日間の初日=㉚番目の「癸巳(きし)」の日を特に「天一太郎」
といってキャンペーン初日の祝賀日みたいに祝すそうです。
まあ、要するに、(またゲスの勘ぐりですが)天一神は北極星の化身みた
いな思想もあったようなので、北天を本拠と考えて、天一神様のご威光知ら
しむるため天一神が北にお戻りになる日から逆算して遊行日程こしらへたっ
てことじゃないすかね?
仮に8日、7日の配分で8分割するとちょうど60日なんですが、それでは
天一神様出ずっぱりになってご尊厳上よろしくない気がした?
ところで、本日は、冒頭に記しましたように六曜(ろくよう/りくよう)
では仏滅です。
(六曜の説明は省きます。暦注はどれもこじつけ話だと思いますが
六曜は(特に?)迷信だとWikipediaさんも言っているので。)
いろんなこじつけの寄せ集めなので、吉と凶のバッティングなどざらです。
気にせず、天一太郎優先でルンルンです。
4)占いの本質
まあ、そんなバッティングもザラの暦注(れきちゅう)なんて、あれこれ
解釈というか難癖みたいなもんかもしれないんですけど、今日は「天一太郎」
だよとか言われれば、じゃあ、冬空だけど出かけるかあ、とか、まあ、なん
らかの思いの物差しにはなるわけです。
落ち込んで当惑している人に
「今あなた、人生一番の凶相出てますよ。
いまが底です」
と言ってくれる占い師みたいなもんじゃないでせうか。
考えのとっかかり、トリガー、考えの物差し。
それが、占いとか暦注とかの本質じゃないでせうか。
知らんけど。