老齢雑感

ーあのとき僕はこう思ってたんだー

むしろ深まった高千穂の謎

 ふたたびの大寒波の朝に

 NHK+で、昨晩のブラタモリです。

 (昨日も寒かったが)

 

1)神話の里、高千穂はどうできたか

 

 が、お題。

 

 日本の古代に興味ある身には

 興味津々。

  

 記紀神話の中で

 天孫降臨のあたりは

 人口に膾炙するところでありながら

 

 南九州でも

 その伝承地がたしか

 二か所(以上?)ある等々、

 (もちろん、神話が事実などと

  言っているのではないのですが)

 

 あの辺り一帯、なんとなく

 もやもやしている。

  

 そのもやもやが、

 多少なりとも晴れるかと

 期待したわけです。

 

 

2)九州のほぼ中央

  

 上で、「南九州」ということばを

 使っておりますが、

 

 草薙君のナレーションでは

 高千穂は「九州のほぼ中央」。

 あれっと思ったのですが

 Googleアースで確認したら

 たしかに、その通りでした。

 

 宮崎県が縦に長~いのは

 知っていたけど、

 宮崎市とか、西都原古墳とか

 話のネタ類は下の方だと

 思い込んでました。

 

 その長い県の一番上~の西寄りで、

 阿蘇山帯の南東に位置する高千穂。

 

 阿蘇山の何十万年も昔からの

 過去三回の大噴火で

 火砕流基盤の高千穂の環境が

 形成された

 

 とのことで、

 

 「高千穂は、稲作には不向き」

 

 だったのを、

 

 「江戸後期、天保の大飢饉」を

  きっかけに、

 

 八十八ヶ所の札所まで作って

 神々への祈りを尽くすとともに、

 

 山中の滝から遠路の水路を引き、

 近隣の村々にもそれが広がり、

 豊かな棚田の水田が作られた。

 

 「高千穂という名に相応しくない

  場所だったのを皆で力を合わせ

  名実ともに高千穂という名に

  相応しい、神話の里に

  していった」

 

 そして、それが

 昭和の初めの観光ブームでの

 地元総動員の運動をきっかけに

 全国区にのし上がった。

 

 という内容でした。

 

 初めに登場した先生の

 講義の威圧感が気になりつつも

 "高千穂"の来歴を知る

 すばらしい内容でした。

 

 

3)高千穂の名の由来は?

 

 稲作に不向きな土地に

 高千穂という

 (諸説ありますという

  断りを入れなくても)

 稲穂を感じさせる地名が

 なぜ、生じたのか?

 

 「日向の襲(そ)の高千穂峯に」

 ニニギの尊(みこと)が

 降臨されたと日本書紀にも

 記されているので

 

 飛鳥以前、古墳時代

 弥生時代にだってさえ

 さかのぼるかもしれない、

 そういう地名、

 なんでしょうけど(要検証)、

 

 稲作には全然不向きな地が

 そう呼ばれた!?

 

 いやあ、

 謎がまた一つ

 増えましたね。

 

 

4)瑞穂の国が大前提

 

 日本書紀では

 天孫降臨の段よりも

 もっともっと初めのほうの 

 「国生み」の段の

 一書(第一)で、

 

 『天つ神が、イザナギイザナミ

  「豊芦原(とよあしはら)の

   千五百秋(ちいおあき)の

   瑞穂の地(くに)がある、

   おまえたち赴いて、

   そこを治めよ」と

  天の瓊戈(ぬぼこ)を賜った』

 

 わけですから、

 

 神々が降る葦原の中つ国は、

 瑞穂の国、稲作の豊かな国

 ということが

 神話自体の大前提なわけですね。

 

 その前提の神話が

 

 なぜ、その当時は

 稲作とほぼ無縁そうな

 「日向の襲の高千穂」と

 結びついたのか?

 

 そういう角度からの疑問は

 自分は持っていませんでしたから

 

 謎は、何も解決されないどころか

 増えたわけですけど

 謎解きのための

 重要な参考視点ですよね

 

 さすが

 ブラタモリ!です。