老齢雑感

ーあのとき僕はこう思ってたんだー

本は2度読もう 『妹の力』余談

 

1)むかし読んだ本に手が伸びる

 

 相変わらず『妹の力』読んでいて

 記紀天地創造の神々とか気になり

 

 むかし読んだ『神々の系譜』

 (松前健著 1972PHP研究所)を

 棚奥から引っ張り出す。

 

 

2)2度読むおもしろさ

 

 いやあ、面白い。

 この本を、むかし読んだ時に、

 いっぱいスルーしていた

 と、今思うことの数々が

 

 ネット検索併用読書法で

 むかしの読書感想記憶が

 深まったり、

 更新されたり、

 よくも悪くも面白さ倍増!

 

 

3)イザナギ神の祀られ方

 

 同書の中に、

 

  「イザナギは古くは決して

   九州では祀られなかった

   のである」

 

 という、"断定的な"一行をみつけ

 なんとなく、ニヤニヤする感じで

 皇學館大学「新全国神社一覧」

 を検索。

 

 とりあえず、福岡の神社を当たる。

 

 データ上福岡の神社は3346社。

 その中でイザナギイザナミの両方

 もしくは、いずれか一方を、

 ほぼ主祭神として祀っていた神社は

 182社あった。

 

 (行数が多いので、数え漏らし、

  数え間違いあったらすいません)

 

 5%程度と、多くはないけど、

 祀っている社は間違いなくあった。

 

 

4)「古くは」どうだったのか

 

 問題は、

 いつごろからのものなのか、

 地元の古層からの信仰だったのか、

 であるのは、わかります。

 

 182社全部なんか当たれませんが

 

 例えば糸島市志摩芥屋(けや)の

 大祖神社(たいそじんじゃ)。

 

 歴史はむちゃくちゃ古そうで

 天照大神イザナギイザナミ

 主祭神

 そのほか多くの配神も祀ってます。

 

 近くにある「ハレドン広場」は

 イザナギが 禊(みそぎ)をした

 "祓い殿(はらいどの)"が由来

 とも言われているみたいで

 

 イザナギイザナミ信仰が

 九州になかったと断定するのは

 ちょっと無理筋な気もしますが、

 

 おおもとは、海人の日神崇拝で、

 そこに、アマテラスやイザナギ

 などが、

 かぶさっていったんだろうな

 とは思います。

 

 

5)いずれの方とも知れず

 

 松前さんの言われる

 イザナギイザナミ信仰の本拠は

 淡路島あたりだろうというご意見に

 異議を唱えるほどの持ち合わせ

 なんかありはしません。

 

 南洋系、海人系の神話とか信仰の

 伝播のこんぐらがり具合

 ということを感じるのみです。

 

 

6)素の資料の面白さ

 

 今回、皇學館大学のデータを検索し

 福岡にも、熊野神社勧請の時代が

 あったらしいとか

 

 白山信仰が福岡にまで届いている

 (地元の山岳信仰への箔つけか!)

 とか

 

 いろいろと、面白い発見が

 ありました。

 

 こういう資料は、

 本に書かれている内容を相対化して

 理解するのにとっても役立ちます。

 

 そういうものを併用しながら

 かつて読んで面白かった本を読み

 直すとさらに面白いですし、

 

 

7)本は2度読め!

 

 そういう資料なくても

 子どもの頃に読んだ本なんかも

 今読むと、

 えっこんな内容だったっけとか

 この歳になって感じる

 その物語の価値とかで、

 深~い感動がひたひたと

 打ち寄せたりします。

 

 終活にも

 もってこいの作業のような

 気もします。

 

 イザナギ信仰のはなしなのか

 読書のすすめなのか

 テーマがばらけましたが

 

 いず方であれ

 本は絶対2度読むべきだ!

 です。